2012年5月3日木曜日

評価の意義


 

 

 

評価とは

患者の現時点での状態を把握し、治療方針を決定し、

その実施過程の如何を確認し、さらにその将来を予測する過程である。

治療即評価である。

信頼性・妥当性・確実性のある標準化された評価が要求される。

 

目的

1)      患者の全体像を把握する

2)      治療計画の参考にする

3)      目標設定に役立てる

4)      将来のための基本線の設定を行うこと。

 

つまり患者がどのような障害をもっているかをみて、その回復の方策を探すことを目的とする。

 

国際障害分類

下記の3つのレベルで障害を分類したもの。

1)機能障害(impairment)

臓器レベルの障害(解剖、病理、生理、運動学的側面)

 

2)能力低下(disability)

個人活動レベルの障害(日常生活の動作能力)

 

3)社会的不利(handicap)

社会的レベルの障害(職業、経済、社会的側面)

 

 

記録の4条件

1)正確性

評価結果をそのまま記入する

 

2)正直性

出来るだけ簡単に事実をそのまま記載する

 

3)客観性

検者の主観的な見方をした記載をさける

 

4)一貫性

始めの評価とそれ以降の評価と統一された記載をする

 

:主観的データ(Subjective date

:客観的データ(Objective date

:判断(Assessment

:計画(Plan

 

拘縮の分類

 

関節可動域制限が関節包外の軟部組織(靱帯、筋、皮下組織、皮膚等)に起因するとき「拘縮」という。

屈曲が制限される伸展拘縮と伸展が制限される屈曲拘縮がある。

(拘縮はPTアプローチで改善可能である。)

 


男性からの強迫観念を扱う

1)皮膚性拘縮

熱傷後や皮膚挫創後に皮膚が壊死を起こし瘢痕治癒後に発生する瘢痕拘縮である

V度またはU度真皮深層熱傷で関節拘縮生じる)

 

2)結合組織性拘縮

関節拘縮が皮下組織・靱帯・腱・腱膜など結合組織の瘢痕性病変に起因するもの

デビュイトラン拘縮等)

 

3)筋性拘縮

種々の原因で筋の収縮性または伸展性が減弱して

関節が長期間にわたり特定の肢位に固定され可動域されたもの。

持続的に関節が特定の肢位に固定された場合

(高齢者の長期臥床で筋の廃用性萎縮を伴う筋性拘縮等)

筋実質の疾患による場合(筋炎等)

阻血性拘縮(フォルクマン拘縮等)

 

4)神経性拘縮

関節拘縮の原因が神経疾患に由来するもの。

痙性拘縮=痙性麻痺を伴う中枢神経疾患では筋の緊張亢進による。

弛緩性麻痺による拘縮=末梢神経障害に伴う筋の弛緩性麻痺による。

反射性拘縮=関節痛があると関節運動に関与する筋群に筋攣縮おこり、疼痛の少ない肢位をとることによる。

 

<参考>

関節拘縮の判別法(関節拘縮は本来無痛である)

 

関節可動域が制限されている位置で、更に外力を加えて伸張すると

それに比例して筋・腱の緊張度が増大するときは、筋・腱の短縮が存在している。

 

筋・腱のゆるんだ位置で関節の遊びを触診し

正常関節のそれに比して減少を示す場合は

関節包・関節靱帯の短縮が存在する。

 

同時に伸張による筋・腱の緊張の増大が伴う場合は

関節包内外の両者に短縮が存在する。

 

相反神経支配(1a抑制)

 

屈筋が収縮しているときはその拮抗筋である伸筋は抑制されて弛緩する。

逆に伸筋が収縮しているときは屈筋が抑制されて弛緩する。

 

このような関係をコントロールする神経の作用を相反神経支配という。

ここで働く抑制のメカニズムがa抑制というもので


病的肥満とジンガー健康計画協会

同名筋の筋紡錘から1a線維を伝わってくるインパルスは

同名筋及び協力筋のα運動ニューロンに興奮性シナプス後電位(EPSP)が生じさせ

拮抗筋に対しては抑制性介在ニューロンを介して抑制性シナプス後電位(IPSP)を生じさせ拮抗筋のα運動ニューロンを抑制する。

このように同筋と協力筋に対する作用が拮抗筋に対する作用と興奮性に関して

相反する神経結合を相反神経支配(reciprocal innervationという。

 

立位時の重心の位置

第2仙椎の前。

男性では身長の下から約56%のところにあり

女性では身長の下から約55%のところにある。

小児の重心は高い。

 

立位時の重心線(前後、左右)

 

前後

耳垂

肩峰

大転子

膝関節前部

外果2cm前方

 

 

股関節後方

膝蓋骨後面

足関節前方

 

 

 

膝関節中心の前方

 

 

 

 

膝軸の1-2cm

 

左右


減量の成功

後頭隆起

椎骨棘突起

殿裂

両膝関節内側の中央

両内果間の中心

 

 

立位姿勢の安定性

 

安定性の3原則は下記の3つ。

1)支持面が広いこと。

2)重心の高さ低いこと。

3)重心は支持面の中心にあること。

 

その他、抗重力筋の活動・姿勢反射・平衡反応・心理的要素(高所、視覚の関係) など。

 

 

歩行周期の種類と正常値

 

歩行周期は立脚相遊脚相に分けられ、各相は更にいくつかの相に分けられる。

 

立脚相

1)踵接地  (heel strike)

2)足底接地(foot flat)

3)立脚中期(mid stance)

13抑制期:遊脚相で失われた体幹の平衡

を元に戻そうとする時期

 

4)踵離地  (heel off)

5)足趾離地(toe off)

45推進期:足趾が地面を蹴って推進力をかける時期

 

 

立脚相は1歩行周期のうち約60%の時間を占めている。

踵接地0%を起点に すると、

足底接地は15%、

踵離地は30%、

足趾離地は60%の


時点でそれぞれ生じる。

 

遊脚相は1歩行周期の約40%にあたり、以下の相からなる。

1)加速期  (acceleration):脚が体幹の後方にある

2)遊脚中期(mid swing):脚が体幹の直下にある

3)減速期(deceleration):脚が体幹の前方に振り出されている

 

脚が地面について体重を支持するとき

1脚で支持する時期(single support-ing period)

両脚で支持する時期(double supporting period)とがある。

なお、single/double supporting periodは運動力学的分析での用語。

両脚で支持する時期は立脚相と遊脚相の移行期にあり,

これを運動学的分析では同時定着時期(double  stance phase)という。

同時定着時期は1歩行周期に10%ずつ2回あり、合計で20%になる。

 

重複歩距離、歩隔、歩行率

1)重複歩距離:踵接地から同側の踵が再び接地するまでの距離

自由歩行時では 身長の約89%だが、速い歩行では身長の106%にもなる。

2)歩隔:両脚(踵)の前額面での間隔

3)歩行率:単位時間内の歩数のこと。

通常は1分間の歩数。cadenceともいう。

自由歩行時の男性では約110steps/min

女性で116steps/minである。

 



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